アンジェラとの「約束」   


彼女が家族に加わったことで生活が大きく変わった。

彼女は,豊かな金髪で,手足がすっきりと長く,澄んだ目が

くりくりして魅力的で,鼻筋も通ったなかなかの美人。街を

歩けば皆が振り返る。口数も少なく,日本語もイタリア語も

うまく通じないが,気持ちは十分にわかりあえる。

彼女の名前はアンジェラ(Angela)。先祖は北米のようだが

生まれは日本。今年4月に2歳になり,元気いっぱいのゴール

デン・レトリーバー(ゴル)である。訓練士さんの指示があれば

キビキビと従う名犬で,機嫌の良いときやおやつがあれば,

私の指示にも従ってくれるときがある。私と趣味が完全に同じで,

イタリアのハーネスや首輪を付け,服にもイタリアの三色旗が

付いている。なかなかセンスがよい。訓練士さんとの目標は,

イタリアンレストランのテラス席でいい子に待つことだったが,なんとかクリアーできた。

散歩の途中にセガフレードにも立ち寄り,私がエスプレッソを飲むのをフセをして待っていてくれる。

ぬいぐるみのような子犬時代の可愛さはいうまでもないが,実はそのころは怪獣みたい

で,ひっかき傷が絶えない。1歳を超えたころから,おとなしくしている時間が見られるように

なり,なんだか気持ちが通じるように思えてくると,その可愛さは子犬のときと別物で,年を

重ねるほど愛おしくなるようである。

ゴル仲間では「えさ」ではなく「ごはん」といわないと怒られそう。ちょっと具合が悪そうだと主治医に

直行で,息子・娘以上とも思える扱いもあながち理解できないわけではなくなってきた。

 映画『犬と私の10の約束』の「10の約束」をアンジェラとも約束したが,中でも「私にも心があることを

忘れないでください。」,「私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど,わかっていま

す。」,「私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。」は,忘れては

なるまいと思う。

                                (事務所報「そよかぜ通信」2017年3月/第16号)


       
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