(事務所報「そよかぜ通信」2014年3月/第13号)
(小鳥への説法/ジョット)
「お前たちも感謝しなさい。神様が翼を下さったおかげで空を飛べるのだし,澄んだ空気や食べものにも困らないのだから。」
        心洗われるアッシジの聖地





        心洗われるアッシジの聖地





 † 上の写真は,アッシジ(Assisi)の聖フランチェスコ大聖堂(Basilica di San Francesco)の遠景。

 アッシジは,イタリア中部・ウンブリア州のスバシオ山の中腹にあり,聖フランチェスコ(1182-1226)

 をしのばせる中世の町である。この大聖堂は,13世紀半ばのもので,当時の大芸術家らによる多く

 の壁画が残され,美術館さながらである。特にジョットによる聖フランチェスコの生涯を描いた壁画

 は圧巻で,中でも小鳥に説教した場面の壁画は,この聖人の人柄を豊かに想像させる。

 † その教えは,清貧,貞節,服従を重視し,一切の所有を放棄するという厳格なものだが,町中で

 物乞いをしながらラテン語でなくイタリア語で説教をし,集まった小鳥にも教えを説き,菜園では野菜

 だけでなく花も育て,笑いを禁じることもしなかったという。心優しい聖人である。イタリアの守護聖人

 だそうだ。

 † スバシオ山の中腹の町から下りたところに,ポルツィウンコラ(porziuncola)と呼ばれる小さな礼拝

 堂がある。聖フランチェスコが最初に拠点とし,聖キアラが訪ねて入会した場所であり,最期をここで

 迎えたいという希望がかなえられたとのことである。16世紀に,この綺麗な礼拝堂をそのまま包んだ

 格好で,天使の聖マリア大聖堂(Basilica di Santa Maria degli Angeli)が作られた。ポルツィウンコラ

 というのは小さな土地といった意味で,10人も入れば一杯のような大きさだ。

 † 訪れたときは,夕方のお祈りをしていて神秘的に輝いているように見えた。裏手にトランジト礼拝堂

 (Cappella del Transito)があり,彫像の足下に,締めていた腰紐がガラスケースに納められている。

 隣りのイタリア人に話しかけると,堰を切ったようにたくさんの説明をしてくれた。どうやら天使が迎えに

 来てここから天に帰ったということらしい。

   聖フランチェスコの十字架はタウ(Tau)と呼ばれる。彼は十字架をTの字のように書いたそうである。