法的なものの考え方
「そよ風通信」第3号
 「みぞぐち法律事務所」も3年目を迎えることができました。

 これも,たくさんの方からの暖かいご支援の賜物と感謝しております。

 母校の大学での教鞭をとらせていただく中で,学生に,私なりの法的なものの考え方

を話すことがあります。法律理論は,精緻な論理展開が必要になることが少なくありま

せんが,私は,法律を学ぶことは,難しい法律理論を駆使して,相手方を屈服させる技

術を手に入れることではないと思います。

 実務家の目からすれば,民事紛争には常に相手方があり,相手方の立場から見ると

どうなるかを考えますし,相手方側から事件の別の見方を提示されることもあります。

事実は一つのようですが,立場を変えてみると,違う見方も可能な場合が少なくありま

せん。そうしますと,自分の見方が絶対に正しいとは限らず,相手方の意見にも耳を傾

けて,自分の主張を吟味する姿勢が必要になります。

 法的な解決基準を念頭において,相手方の立場や利益をも尊重した上で,当方の利

益をできるだけ守れるような,相手方との解決の調整点を見いだすこと,そのような意味

で,相手方にも配慮した法的なバランス感覚が大切であり,自分の考えが絶対に正しい

とは考えずに,柔軟に自分の主張を点検し改めることが,法的なものの考え方なのでは

ないかと思います。それが私の「紛争解決の名医」への路につながるのかなと考えてい

ます。

 今後とも,どうかよろしくお願い申し上げます。

                                      (2005年2月)

                                       弁護士 溝 口 敬 人