Il Decimo Anniversario
「そよ風通信」第10号

 今年は事務所開設10周年になります。連続した時の流れに節目を数えるのは,

賢い知恵と思います。気持ちを新たにできます。創刊号の挨拶を読み返してみて,

「紛争解決の名医」に顔を向けているものの,近づいたという実感はありません。

きっと到達点というのではなく,遠い導きの星のようなものなのでしょう。

 弁護士の職業倫理について,学生や若い弁護士に話す機会がありますが,「教

えるとは学ぶことなり」とはよく言ったもので,多くのことを学ぶことができます。

弁護士倫理に関していえば,法的制裁を受けるか否かという点もありますが,

より重要なのは,相当に専門的な裁量を与えられている中で,それをいかに行使

するのが真の意味で専門家であるのかが問われる場面であろうと思います。正解

があるとも限らない中で,自問自答を繰り返し「悩む力」をもつことが,導きの星に

顔を向けることになるのではないかと思います。時の節目は,初心を思い起こす

よい機会を与えてくれます。

 末尾になりましたが,平穏な生活が突然に断ち切られてしまった多くの方に,

早く「希望」の光が差すようにとお祈り申し上げます。

 今後とも,ご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。 

                                     (2012年2月)

                                  弁護士 溝 口 敬 人